10/11/2015    傘 2



3年前の今日の日の情景は



今でもはっきりと脳裏に焼き付いている。





あの街を出ていく日は



もうその日しかなかった。





朝いつものように主人を送り出し



部屋の隅々まで




片付けを済ませ





最後に大きな声で



『ありがとう』



と口にした。







置き手紙と



家と車のカギをテーブルに置いて。






もうこの家に



この場所には



戻らないという



強い気持ちと



胸が締め付けられる


辛さが混在していた。





玄関を出ると



朝からの雨が降り続いていた。





玄関にあった傘を握りしめ



タクシーを待っていた。






私はもう



この街には来ることはない。





お似合いの雨だ。








駅まで向かう道中も


いつもの町並みや



空を



噛みしめながら



見ていた。







あと数時間後には



薫さんの住んでいる街にいける



という嬉しさは



その時の私にはなかった。






ツインソウルが一緒になるためには



こんなに辛い道のりを

越えて来なくては



一緒になれないんだと思った。









新幹線を降りるまで


ずっと傘を握りしめていた。















改札には薫さんが待っていた。






私は無言で傘を渡した。








見上げたときに薫さんの後ろに見えた空は



透き通るような青空だった。






















あの日



来て良かった。





あの傘は大切にしまってある。









Qちゃんありがとうございます。









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