僕はもてない男が嫌いだ。
もてない男は
気が利かない
仕事ができない
一緒にいても楽しくない
優しくない
ないない尽くしだ。
ここで注意がある。
嫁さんがいるからもてているわけじゃない。
あなたの嫁さんは結婚まえにたまたまあなたのことを好きだっただけで
いまもあなたを好きなわけじゃない。
なんなら本人に聞いてみて欲しい。
先日
母親が僕にへんな話を持ちかけてきた。
「そろそろ父親と和解したらどうなの」
以前僕は母親に聞いたことがある。
僕の母親は若いころはすごい美人だったらしい。
そんな女性が背も低く
学歴も無く
財産も無く
出世の見込みもなく
ハンサムでもない
ろくでもない男であるいまの旦那(僕の父親)と
再婚とはいえどうして結婚したのか?
答えはわかりやすかった。
最初の嫁ぎ先を飛び出して実家に帰らず東京に逃げてきていた僕の母親は
このままだと実家に連れ戻されて
あの九州の嫁ぎ先に連れていかれてしまう。
運良くまだ入籍はしてなかったのだから
連れ戻されてしまうまえに誰かと入籍してしまえば大丈夫のはずだ。
そして母親のとった行動は
東京で勤めはじめて一週間くらいの時に話しかけてきた向かいの席にいた冴えない男とすぐに同棲をはじめて入籍したのだ。
背もひくく
学歴もなく
家柄もなく
跡取りでもない
ましてやもてないし
浮気もしないだろう。
この男ならば自分の意のままになると思ったらしい。
ようは誰でも良かったのだ。
僕は母親に噛みついた!
「おれの遺伝子の半分はどうでもいい男のものかよ!」
僕はそれを知ってから
家にいるつまらない男を父親と思うことは無くなった。
つまらない男と最後に顔を会わせたのは8年前だ。
もしつまらない男だとしても
母親が惚れて結婚して僕が産まれたのならばわかる。
しかしうちのつまらない男は論外だ。
僕はあいつの遺伝子を抜けるならば抜いてしまいたい。
しかしそれは無理だろう。
僕は母親に応えた。
「いまさらあれに会ってなんになるの?」
いまから50年前の自分の打算が生んだ軋轢だと知っているその老女はそれ以上は僕に何も言わなかった。
女性たちよ
もてない男とは付き合わない方がいい。
もてないのには理由があるのだから。


